

遺伝子・細胞分析検査室
Gene and Cell Analysis Laboratory- 造血器腫瘍の診療を支える検査室
- 白血病に代表される造血器腫瘍の診断、疾患病型分類、治療方針、治療効果判定、予後判定、早期再発診断並びに免疫能のモニタリング、移植後感染症のモニタリングは患者さんにとって重要な検査です。遺伝子検査室では、造血器腫瘍遺伝子検査として、Major BCR::ABL1 mRNA定量検査、minor BCR::ABL1 mRNA定量検査、WT1 mRNA定量検査、RUNX1::RUNX1T1 mRNA定量検査、PML::RARA mRNA定量検査、HTLV-1定量検査、FLT3-ITD変異遺伝子検査、NPM1変異遺伝子検査、JAK2V617F/CALR変異遺伝子検査、また移植後の感染症検査として、EBV・CMV核酸定量遺伝子検査を実施しています。
細胞分析検査室では、造血器悪性腫瘍細胞抗原検査、T細胞B細胞百分率検査、T細胞サブセット検査、B細胞表面免疫グロブリン検査、TdT精密測定検査、赤血球・好中球表面抗原検査、小児免疫不全検査を実施しています。当検査室の検査工程の多くは自動化されておらず、マニュアル検査が主流ですが、ISO15189に準拠した品質管理のもと、診療に貢献できるよう日々努力しています。
遺伝子・細胞分析検査室ギャラリー
自動核酸精製装置を使用してDNA抽出を行う場合もあり、検体数が多いときに有用です。所要時間1時間ほどで、全自動でのDNA抽出が可能です。
リアルタイムPCR法を用いて造血器腫瘍関連の定量遺伝子検査を行っています。また、移植後の感染症検査としてEBV・CMV核酸定量遺伝子検査も実施しています。
RNA分子は分解しやすく、扱う際には注意が必要です。検査工程でRNA抽出を行うときは写真の様な専用クリーンベンチを使用しています。
モノクローナル抗体を用いて、細胞表面抗原、細胞内抗原、核内抗原を染色します。用手法で染色するため間違えないように注意が必要です。
末梢血、骨髄液だけでなく、様々な組織検体が提出されます。組織検体はメスを用いて細切し、顕微鏡で細胞の大きさ・細胞数を確認し、浮遊細胞液にして検査に使用します。
フローサイトメーターを用いて検査します。現在は、3カラー~8カラーのパネルで検査を実施しています。サイトグラム、所見等を記載した検査結果(PDF)を院内カルテに取り込み報告しています。