ごあいさつAbout us

京都大学医学部附属病院 検査部
部長 長尾 美紀

適切な診療につなげる
臨床検査体制の提供

京都大学医学部附属病院 検査部・部長、京都大学大学院医学研究科 臨床病態検査学・教授を務めております長尾美紀です。当部のホームページにお立ち寄りいただきまして誠に有難うございます。
本検査部は1958年に中央検査部として設立されました。以後、本院の診療を支えるべく我が国の臨床検査の歴史とともに歩んでまいりました。
1973年に輸血部が創設され、1974年には初代専任教授として村地孝教授・検査部長が着任されました。その後1984年には臨床検査医学を専門とする臨床病態検査学教室が発足しました。第二代部長の森徹教授の時代には、臨床検査の自動化や遺伝子検査の導入など、現在の本検査部の礎ができました。その後1998年に第三代部長・教授の一山智教授が着任され、感染制御部の設立(教員兼任)、本学胸部疾患研究所附属病院検査部の統合や検査部の宿日直開始など、時代の流れとともに、病院診療の効率化や質の向上に向けて検査部一丸となって尽力していまいりました。そして2019年に私が第四代教授・部長として着任し、検査部と輸血細胞治療部が統合いたしました。輸血細胞治療部は、細胞療法センター(C-RACT)に生まれ変わり、発展著しい細胞療法に検査部の人材が貢献する機会をいただきました。奇しくも着任後半年で新型コロナウイルスのパンデミックがおこりました。私が感染制御部長を併任していることもあり、診療側の求めに応じて検査部門も遺伝子検査体制の見直しを行い、本院の先進医療・救急医療・COVID-19診療の3本柱を支えてまいりました。とても困難な時代ではありましたが、この際に培われた相互支援の文化は、難しくなる人員確保や検査の高度化・専門化など、臨床検査を巡る厳しい状況を乗り越えるために必要なレジリエンスをもたらしてくれたのではないかと考えております。

検査部は、直接、患者さんの治療行為に関わることはありません。一方で、臨床検査は患者さんの病態を正しく評価し、適切な診療につなげるための大切な基盤です。私は、本院の基本理念である「患者中心の開かれた病院として、安全で質の高い医療を提供する」「新しい医療の開発と実践を通して、社会に貢献する」「専門家としての責任と使命を自覚し、人間性豊かな医療人を育成する」を日々追求し、診療科から求められる臨床検査体制の提供を目標としています。

最後になりますが、私は臨床検査医学の発展、検査部門として京都大学医学部附属病院の診療に貢献できるよう全力を尽くす所存であります。今後とも皆様方のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。